<-- 少年少女世界の名作文学の部屋


少年少女世界の名作文学の部屋





 ここでは、私の子供時代の児童文学全集として、特に思い入れの深い小学館版の「少年少女世界の名作文学」全50巻について語りたいと思います。

 この文学全集については、既にホームページ等に思い出や情報を載せていらっしゃる方がいます。私は私なりにこの全集について語りたいと思い、ここのページを設けました。
 刊行は昭和39年から43年にかけて、多分昭和40年代以降に小学生だった世代がこの全集に親しんだのではないかと思います。

 この全集が私にとって思い出深い理由は、この全集の刊行開始を覚えているからです。小学校の図書室には、講談社の世界名作全集や少年少女世界文学全集が並んでいました。これらは又別の意味で懐かしい全集です。本を読み始めた頃親しんだのはそれらの全集なのです。
 本好きになっていた私は小学館から新規に全集が刊行されるのを知って、欲しくてたまらず、あまりものをねだったことはなかったのですがこれだけは親に買ってくれと頼みました。母親はこの全集の目録を見て、これは私には少し易しすぎる(子供すぎる)と言いました。それで結局自分のお小遣いをためて買っていました。一冊定価は480円、といっても実際は予約特価と称して(予約せずとも)430円で売っていたと記憶しています。他のサイトで親が買ってくれたと書いてある人を何人か見かけましたが、羨ましいかぎりです。
 でも親の言うことはある意味あたりました。この全集が刊行中に中学生になり、もう大人の本を読むようになっていったからです。中学校に入学して図書室に行ったら、橙色の世界文学全集が並んでいて、開けてみると三段組の細かい活字がぎっしりでした(筑摩書房の世界文学大系です)。

   結局子供時代に読むことのできたこの全集は20回配本までの19冊です。これはこの度インターネットで全集を購入して確かめることができました。
 それにしてもあんなに欲しかった全集、そして読んだ巻はどれも思い出が深いものばかりです。今回入手したのをきっかけに再び読み直し、あるものは新規に読んで、書いていきたいと思います。まだ未完成のところが多く、また既存の部分も今後改善していきたいと思います。

 今は何かと批判される子供向きの再話全集ですが、私の人生にとって絶対的な価値がある宝です。子供時代に読めたからこそ、あんなに感激できたのです。例え再話でもいいから子供の時に読むべき本が沢山あると確信しています。再話はけしからん、完訳でなければいけないなどと言う人は本当に本の好きな人でしょうか。この考えが一般的になってしまったため、子供たちから読書の喜びを奪ってしまったのです。
今、古典名作に子供時代に触れる機会といったらテレビのアニメ番組のようです。再話はけしからんが、テレビアニメならいいのでしょうか。

 子供時代に再話で読んだ話の大部分は大人になってから完訳で読み直しました。『レ・ミゼラブル』とか『モンテ・クリスト伯』の完訳なぞ子供のときでは読めません。簡略化してあるとはいえ『ああ無情』とか『巌窟王』などを子供向き全集で読めたことは本当に幸せだったと思います。
この全集に収録されている世界の名作を、日本中の子供達に触れる機会をぜひ与えてやりたいと思います。